「疑義が生じた場合には双方が誠実に話し合う」契約書は役に立たない

法務

契約を交わす大きな目的は、利害が対立している者同士が、お互いが納得できる内容を明らかにしておくことにあります。

価値観が異なる者同士が一つの目的に向かって一緒に行動するときに、それぞれの価値観を基準に勝手に行動したとしたら、到底目的を達成することは叶いません。

トラブルが起きたとき、価値観が異なる者同士であっても予め定めた内容に基づいて粛々と解決できるようにしておくことが必要です。

 

「疑義が生じた場合には双方が誠実に話し合う」という条項を以てトラブルが起きたときの解決の拠り所にする契約書が散見されますが、このような曖昧な条項ではトラブルが起きたときの解決には到底至りません。

価値観が異なる者同士が、それぞれの価値観を基準に話し合ったところで、お互いが納得する解決策が見出されるわけがないからです。

 

トラブルが起きる前の平常心でいられるときに交渉するからこそトラブルが起きたときの解決方法についてすり合わせができるのであって、トラブルが起きた後は最早平常心を保つことなどできず、結果としてお互いの利害が真っ向から衝突します。

 

トラブル以外の内容は当事者の利害が一致するところが少なくため、簡単な契約書で済ませてしまう場合が少なくないのも事実です。

しかしそのような契約書は得てして利害関係が対立するトラブルが起きたときの解決方法が明らかにされておらず、「疑義が生じた場合には双方が誠実に話し合う」という条項しか記載されていない契約書がほとんどです。